荒れる選挙集会、SNSで広がる「反トランプ運動」

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勢いを増す反トランプ運動
勢いを増す反トランプ運動 ロイター

米大統領選の共和党候補指名争いでトップを走る不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は、自身に反対する人たちについて、悪党、プロの集団、もしくは民主党候補のバーニー・サンダース氏の支持者と呼ぶ。

だが、トランプ氏への抗議活動に力を入れている人たちは、全国的な団体にも属さず、さまざまな経歴を持つ人たちだ。彼らはフェイスブックや無数の擁護団体を通して団結している。

イリノイ州シカゴで11日開催予定だったトランプ氏の大規模な集会では、同氏に抗議する人たちが押し寄せた。その結果、安全上の懸念から、集会は中止を余儀なくされた。彼らは、この勢いを維持すべく、方法を模索している。

トランプ氏は、熱烈な支持者だけを引きつけているわけではない。

移民を阻止するためにメキシコとの国境沿いに壁を築いたり、イスラム教徒の米国への入国を一時禁止したりすることなどを求めるトランプ氏の主張は、共和党内部も含め、激しい批判を引き起こしている。

ミズーリ州カンザスシティーで12日開催されたトランプ氏の集会で、「プログレッシブ・ユース・オーガニゼーション」を代表して抗議活動を主導した1人、ケビン・ベイリー(25)さんは、2つの目的があると話す。1つはできる限り集会の邪魔をすること。もう1つは、トランプ氏の敵対的な発言に対する怒りを表明することだという。トランプ氏は檀上で、抗議者に言い返すのにかなりの時間を費やすこととなった。

ベイリーさんが所属する団体は、姉妹団体が11日に同州セントルイスで行った同様の抗議活動や他のデモから、何か学べないか注視していたという。「特に、集会を妨害するうえで何が有効かを知りたい」と、ベイリーさんは話す。

ベイリーさんは最も有効だと思える戦略の一つとして、小規模な人数で集会に入り込み、会場付近に人員を配置することなどを挙げた。

シカゴのイリノイ大学で11日予定されていた集会の前、トランプ氏への抗議を主導する人たちはフェイスブックを使い、シカゴ地区の学生グループと協力して抗議への参加を呼びかけた。スタジアム内では、支持者と同じくらいの数の抗議者がいた可能性がある。トランプ陣営が集会を中止したときには、会場に入ろうとする長蛇の列ができていた。

トランプ氏の支持者と反対者との間で小競り合いが発生し、その様子は全米でテレビ放送された。トランプ陣営には安全上の不安が浮上した。

主催者の1人である大学院生のナサニエル・ルイスさん(25)は、トランプ氏の集会が中止されたことについて「最も予期せぬことだった。団結の力を示すものだ」と語った。

米大統領選共和党候補のドナルド・トランプ氏に抗議するグループが騒ぎを起こし、シカゴで予定していた集会が開催できなかったことについて、同氏は「悪党ども」による「組織的」かつ「計画的な攻撃」だとして、民主党指名候補のバーニー・サンダース上院議員の支持者を非難した。

<主要な予備選前に抗議>

今回の抗議行動は、15日に5州で行われる予備選で、トランプ氏が共和党候補指名を争うテッド・クルーズ上院議員や、マルコ・ルビオ上院議員、オハイオ州のジョン・ケーシック知事に対してリード固めを狙うわずか数日前に起こった。

米大統領選に出馬する共和、民主両党の候補者たちは、敵対的な発言で緊張を広めているとしてトランプ氏を非難している。だが同氏は13日、次のように言い放った。

「私に責任などない。いかなる形の暴力も許さない」

トランプ氏は抗議者を、サンダース民主党候補から送り込まれたプロの「かく乱者」だとして、「バーニー、気を付けろ。さもなければ、私の支持者たちがそちらの集会に行くぞ」と、ツイッターに投稿した。

トランプ氏の集会では、同氏自身が抗議者をののしったり、シークレットサービスに連れ出すように命じたりと、荒れ模様となっている。

暴力の脅威は12日、トランプ氏自身にも及んだ。オハイオ州での集会で男がセキュリティーを突破し、檀上に上ろうとして取り押さえられた。同氏は男が「危害を加えようとしていた」と語った。

トランプ支持者のなかには、シカゴでの抗議者の行動がトランプ氏支持者を奮い立たせ、同氏に有利に働くとみる者もいる。

「一部の人は血気盛んだった」と、オハイオ州の集会に13日、家族と参加したというマイケル・マッキニーさん(47)は語る。「映像をたくさん見たが、最初に手を出したのはすべて抗議する側の人だった」という。

オバマ大統領はこの週末、大統領選の過程において礼節と「暴力に訴えることなしに相違を解決する」ことを求めた。

小さな集団で動く反トランプ派は、若者が多く、その一部はサンダース候補の支持者であるほか、さまざまな人たちで構成されている。

イリノイ州ブルーミントンで13日開催されたトランプ氏の集会に参加したファシリティーマネジャーのソニー・ガルシアさん(44)は、「Dump Trump Illinois」という緩やかに組織されたグループがフェイスブックで抗議を呼びかけると、約2000人が集まったと話す。

また、反憎悪団体「ナット・イン・アワ・タウン」の地元支部に属するメンバー40人が、白色のアームバンドを身に付けて抗議に現れた。高校生のアイシュワリャ・シェカラさん(16)もその一人だ。

「私がここに来た理由は、トランプ氏が支持することにすべて反対だから。彼は扇動政治家そのもの」とシェカラさんは述べた。