糖尿病を予防せよ――米国、生活習慣改善指導を公的医療保険でカバーへ

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IBT160325  米糖尿病対策
米国では8600万人が2型糖尿病のリスクを抱えており、その90%がその事実を知らない JOE RAEDLE/GETTY IMAGES

2型糖尿病のために米国に毎年かかるコストは、最低でも2450億ドル(27兆5000億円)にのぼり、この数字は不可逆的に一つの方向を向いているように見える。つまり増加だ。

そこで米国政府は、まず糖尿病にかからないための予防に照準を合わせ、新しい試みを投入しつつある。オバマ政権は23日、糖尿病予防のための習慣を教える「生活習慣変革プログラム」を、公的医療保険メディケアでカバーできるよう、拡大することを提案した。シルビア・マシューズ・バーウェル(Sylvia Mathews Burwell) 保健福祉長官がワシントンのYMCAでこのイニシアティブを発表した。

YMCAの全国会議は2012年、1200万ドル(約13億5000万円)近い国の補助金を得て、8つの州でこのイニシアティブを試行した。カウンセラーが人々により健康的な食事、運動量の増加などを指導した結果、プログラム参加者は参加していない人に比べて一人当たり2650ドル(約29万8000円)、メディケアの節約になるという結論に達した。これは、プログラムのコストを十分にカバーする額だ。

米疾病管理予防センターによれば、米国の糖尿病患者は2910万人に上り、これは11人に1人が糖尿病という数字だ。しかも、そのうちの4分の1はそのことを知らないという。

しかし、糖尿病予備軍はさらに多く、またそれを自覚していない人もそれよりさらに大きな割合に上る。同センターによれば、米国で前糖尿病状態にある人は8600万人おり、その90%がそのことを知らないという。前糖尿病状態の人の15%から30%は、積極的な対策を取らなければ、5年以内に2型糖尿病に移行する。

2型糖尿病とは、身体が適切にインシュリン、つまり血糖値の調節を助ける重要なホルモンを使えない状態のことだ。これは、ある程度、食事や運動習慣などと関連性があるため、生活習慣病と考えられている。例えば、毎日1缶の炭酸飲料を飲むことで、2型糖尿病になるリスクが上がることが分かっている。

前糖尿病状態にある人は、食事に気を付け、運動量を増やしたり習慣を変えたりして活動量を増やせば、糖尿病に移行するリスクを半減させることができる。

2010年の医療保険制度改革を受け、新プログラムは2012年の試行のときより拡大が可能で、ケアの質は維持しつつ健康保険の歳出を削減できることが分かれば、保健福祉長官はこれを全国に拡大する可能性がある。

拡大の前には、プログラム案は一般の意見公募期間を経なくてはならないが、議会の承認は必要ない。

カリフォルニア州北部に住むエンジニアのティモシー・エンフィンガー(Timothy Enfinger)氏は、「(プログラムを始める前、)私はかなりのカウチポテトでした」と言う。

現在では、「妻と私は毎日ウォーキングに行き、2.5マイル(約4キロ)も歩くこともあります。とても体調がよくなりました」と同氏は語っている。

*この記事は、米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。(原文記事:Elizabeth Whitman,”Preventing Diabetes: How Medicare Wants To Cut Costs And Keep People Healthier Through Lifestyle Coaching”)