ポンド安、「ブレグジット」以外にリスク回避も影響か

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昨年終盤以降のポンド/ドルの大幅な下落は、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)への懸念だけでなく、投資家のリスク回避姿勢も主な理由であり、原油安と連動したものだった──。ノルデア銀行は調査ノートでこうした見方を示した。

ノルデアは、ポンド/ドルは原油価格とともに底を打ったと主張するとともに、こうした動きを説明する上で「ペトロ・ポンド」なるキーワードを使っている。この言葉は、北海油田の利益が英国の税収の10%前後に達した1980年代の石油開発が盛んだった時代にポンドに冠せられていた。

マクロストラテジストのAurelija Augulyte氏は「このところのポンド下落の大きな部分は、世界的なリスク回避と原油価格下落が占めている。足元までに最悪期は過ぎ去った」と記した。

最近のポンド安を説明する際の「通説」は、英国で6月にEU離脱の是非を問う国民投票が予定される中で、離脱賛成が多数になるのではないかとの不安が広がっていることだ。ブレグジットは、英国経済とポンドに持続的な打撃を与えるとみなされている。

しかしグラフィック(bit.ly/1qdmWxh)が示すように、ポンド/ドルの過去半年間の動きは、北海ブレントの価格と高い相関性を有する。ポンドも北海ブレントも、投資家のリスク志向の変化に左右される面が大きい。

ノルデアは、ポンドと原油価格の連動は、原油価格がドル建てであるがゆえにドルと逆方向に振れる(ドル安で需要が高まる)ことが影響している面はあると認める。それでも英国が大規模な経常赤字のファイアンスを海外からの大量の資金流入に依存していることで、リスク回避ムードが高まる局面ではポンドが売られやすくなると付け加えた。

ノルデアは、今は投資家がポンドのショートポジションの一部を巻き戻す時期に入っているかもしれないとも指摘した。参考にしているのは昨年の総選挙前の動きで、ショートポジションが膨らんでポンドが下落した後、選挙までまだ数カ月あった時点でポンドは切り返した。

Augulyte氏は「ポンドの値動きを目にすると若干の既視感を覚える。当時も典型的な向こう1年の見通しでは英国の政治リスクが警戒されていた。では今が(ショートポジションの)一部を巻き戻すタイミングなのかどうか判断するには、国民投票における残留賛成派の力がどの程度かを想像してみれば良い」と述べた。