ロイター企業調査:「トランプ大統領」なら半数超が対米投資減退

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ドナルド・トランプ氏
11月30日、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ氏は、米ジョージア州マコンで開催された大統領選の集会で演説した。 ロイター

4月のロイター企業調査によると、米大統領選でトランプ氏が勝利し大統領となった場合には、半数以上の企業が米国事業環境の悪化や対米投資意欲の減退につながると予想していることが明らかとなった。クリントン氏の場合には9割近くが対米事業は現状と変わらないとみている。

今年度の事業環境全体では為替が逆風との見方が製造業で4割にのぼり、増益を見通せない企業は全体の7割近くにのぼる。

この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に4月1日─15日に実施。調査対象企業は400社で、うち回答社数は240社程度。

米大統領選で共和党と民主党の指名争いでリードするトランプ氏とクリントン氏の2候補について、それぞれが大統領に就任した場合の米国での事業環境について聞いたところ、トランプ氏の場合、環境悪化が55%、対米投資意欲の弱まりが54%、対米貿易縮小が56%と、いずれも半数超となった。安全保障環境については78%が悪化すると回答した。

「自国通貨安競争を許さず、円高になるリスクが高い」(運輸)、「安全保障、円高、輸入関税など、日本への圧力は高まる」(金属)など懸念は多い。特に安全保障面では「日本に対する防衛義務を希薄化させる動きを見せれば、中国が力の空白域に軍事作戦を展開させることが十分予想される」(電機)として日中関係の緊張の高まりと日本経済への悪影響を懸念する声も多い。

もっとも「大統領候補にはなるかもしれないが、米国民が大統領に選ぶとは思えない」(小売)など、大統領就任は非現実的との見方も多い。

他方でクリント氏の場合は、事業環境も対米貿易も変わらないとの見方が86%、対米投資意欲も90%が変わらないと回答。安全保障環境は変わらないが82%、良くなるが12%を占めた。

クリントン氏については、日米関係に大きな変化はないとの見方が大勢だ。

16年度の事業環境全体については、昨年度より「良くなる」は20%で、「悪くなる」の29%が上回った。営業利益ベースで前年度比増益を確保できる企業は半数以下の32%。横ばいが39%、減益見通しは28%で、全体の67%が増益を確保できないとみている。

製造業では逆風要因として41%が為替動向を挙げた。非製造業は人手不足が逆風要因のトップで30%となった。