イギリスはEUを脱退した方が経済成長できる? 従来の説が正しいとは限らない

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イギリスのEU脱退
自動車に貼られたステッカー。EU脱退を訴えている。(2016年2月27日、ウェールズにて撮影) ロイター

イギリスでは、欧州連合(EU)脱退を問う国民投票が6月に実施される。多くの専門家たちは、イギリスがEUを脱退すれば、同国の経済は危険にさらされると考えている。しかし、まったく逆の説を発表した経済学者たちがいる。

8人の著名な経済学者たちからなるグループは28日、「従来の印象を変えて、イギリスはEUを脱退すべきである」というキャンペーンを実施した。

同グループによると、イギリスは、EUを脱退したときのほうが、EUにとどまったときと比較して、4%多く経済成長できるという。ウェールズにあるカーディフビジネススクールのパトリック・ミンフォード(Patrick Minford)教授は、「EU外部への関税を廃止し、その代わりに世界貿易機関(WTO)が提唱する関税レベルまで下げる。それにより、イギリスは消費者物価を8%下げることが可能である」と説明した。

イギリスのEU脱退を反対する経済学者たちは、その理由として貿易を挙げることが多い。もしイギリスがEUから脱退した場合、同国は世界中の国々と貿易協定を新たに締結しなくてはならないという。そして、米国のバラク・オバマ大統領が警告したように、貿易協定の話し合いにも参加しにくくなる。

しかし、ミンフォード教授は上記の主張に異を唱えた。同教授は、「私たちが世界中の国々と100万の貿易協定を締結する必要に迫られることはない。それとこれとは無関係である」と述べた。

イギリスにとってEU脱退が利益となるという議論は、ここ数か月間における経済コミュニティの論調とは異なる。ロイターが今月に実施した調査においては、圧倒的多数のエコノミストが、EU脱退はイギリス経済にダメージを与えると考えていた。

デンマーク・コペンハーゲンに本店を置くダンスク銀行のアナリスト、ミカエル・ミリョー(Mikael Milhoj)氏は、「イギリスと欧州、両方において不確実性が高まっており、次の四半期で景気後退する危険性がある。イギリスがEUで2番目に規模の大きい経済国であることを考慮しなければならない。つまり、イギリスのEU脱退は大きな事柄である」と述べた。

イギリスでは6月23日、EU脱退を問う国民投票が実施される。

*この記事は米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。(原文記事:OWEN DAVIS記者「UK Brexit Vote Consequences: Economists Argue For Higher Economic Growth Outside EU After Leave Decision」)