タカタ製エアバッグ、米国で大幅な追加リコール

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タカタ製エアバッグのインフレータ
自動車部品メーカー、タカタ製のエアバッグは危険なため、既にインフレータ(エアバックの部品)のリコール(回収・無償修理)が行われてきた。しかし、このリコールが大幅に追加される可能性があるとロイターが4日報じた。写真は技術者のエドワード・ボニーラ(Edward Bonilla)さんが、米フロリダ州マイアミでリコールされたタカタ製エアバッグのインフレータを持っているところを2015年6月25日に撮影した。 ロイター / ジョー・スキッパー(JOE SKIPPER)さん

米道路交通安全局は、タカタ製エアバック問題に関して、今年1月の時点でリコール件数は合計2,800万件となり、このうち2,400万件が米国内のリコールになると報じた。少なくとも14の自動車メーカーが関わるトラックやSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)などが既にリコールの対象となっている。

ロイターは、この問題の関係筋による3件の匿名の情報をもとに、早ければ4日にも追加のリコールが発表される可能性があると報じ、米国の道路を走る数千万台を修理するために必要な時間はこれまでの予想に加えてさらに数年かかるだろうと伝えた。

これまで、米国内の約2,400万台の車両、2,880万個のインフレータを交換する必要があるとされてきた。今週、さらに米国で4,000万個のインフレータがリコール対象に追加されると見られる。この中には3,500万個の助手席用エアバッグユニットが含まれる。タカタ製エアバッグをめぐっては、米国内でエアバッグ部品のインフレーターによる死亡事故が発生している。

ロイターは米当局が最大9,000万個のエアバッグを追加でリコールする必要があるかどうか調べていると報じて、全量について追加リコールを命じた場合、米国でのリコール対象は最大で1億2,000万個に達し、これまで対象となった2,800万個の約4倍に膨らむことになる。

影響を受ける自動車の数は定かではない。運転席側のエアバッグだけが交換の必要がある場合と、運転者席と助手席側、両方のエアバックによって死亡または負傷の危険にさらされる場合もあるためである。

日米欧自動車メーカーによる独立委員会が、タカタ製エアバッグが異常破裂した欠陥問題をめぐり、2月に調査レポートを公表した。レポートによると、事故の原因は、エアバッグを膨らませるガス発生剤、硝酸アンモニウムに乾燥剤が使われていなかったこと、薬品が高温度、高湿度の環境に長期間さらされていたこと、エアバッグの製造時に湿気の混入を防ぐ作業が十分ではなかったことなどが関係していると報じた。リコールにはエアバックを膨らませるために使うガス発生装置であるインフレ―タが含まれる。

ホンダ技研株式会社はリコールによって最も大きな影響を受けている。ホンダはタカタと数十年にわたる密接なつながりがあり、タカタから部品の供給を受けてきた。ホンダにおけるタカタ製のエアバッグのリコールは累計で3,000万台に達する見込みで、リコール台数は他社に比べて突出して多い。

エアバッグメーカーはいくつかの企業に集中しており、タカタの自動車安全システムの市場の世界シェアは約20%ほどである(5台に約1台がタカタ製)。問題となっているタカタのインフレ―タは、ライバル社と異なるガス発生剤を使用しており、価格は安いが不安定とアナリストらは分析している。過大な力が働いてエアバックのファブリックが粉々に爆発し、前席に乗っていた人の頭部や体を直撃し、世界中で少なくとも11人が死亡し160人が負傷している。

死傷者は実際はさらに多い可能性がある。2002年までデータを遡って影響を受けた車を数え、地理的な範囲を考え、クラッシュが発生した場合に捜査員がエアバックの欠陥に関連した事故だと気づかなかった場合などの事例を考えれば、過去の事故数や死亡者数で統計に加えられていないものがあると考えられる。

3月31日の時点でタカタのエアバック欠陥に関連するコストは5億6,700万ドル(約606億円)を計上した。エアバッグの交換費用は1台当たり1万円から数万円とされる。追加リコールによって今週初めには新たに1億8,900万ドル(約202憶円)の費用が追加されることになるとブルームバーグは報じた。

*この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。(原文:ANGELO YOUNG 記者「Takata Corp.’s Explosive Air Bag Recall List Is Poised To Get Much Longer: Report」)