【英国】EU脱退をめぐる国民投票控えて、不透明感広がる――経済に影響

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運送会社Palletways の倉庫(2015年12月1日、英国リッチフィールドにて撮影) ロイター

英国が欧州連合(EU)を脱退する可能性は、同国の経済にダメージを与えている。4月の経済指標は、経済成長が行き詰りつつあることを示した。EU脱退についての国民投票は6月23日に実施される。

先月、英国の経済成長は大きく鈍化した。ロンドンに拠点を置く世界金融サービス情報企業「マークイット・エコノミクス(Markit Economics)」のPMI(購買担当者景気指数)調査によると、製造・建設・サービス部門の連結指数は51.9%(3月は53.6%)に低下。経済成長率はわずか0.1%であった。この調査は、マークイット・エコノミクスがCIPS(調達と供給についてのチャータード研究所)と共同で実施したものである。

マークイットのチーフエコノミストを務めるクリス・ウイリアムソン(Chris Williamson)氏は、「2013年3月以来、最も弱い伸びを示した。経済成長が全体的に鈍化している。景況感はここ数か月で悪化した」と述べた。複数の企業が、「政府の歳出削減や世界経済の不透明感に加えて、英国がEUを脱退するかどうかわからないことは、顧客の購買意欲に影響を与えている」と考えているという。

製造業と建設業の成長はほぼ停滞であったのに対し、サービス部門は唯一かなりの成長を記録した。しかし、サービス部門の成長率も、1月以降は鈍化傾向である。

英国製造業のPMIは4月、基準点の50を下回り、49.2となった。50を下回るのは、収縮を意味する。

マルキトのシニアエコノミストを務めるロブ・ドブソン(Rob Dobson)氏は、「製造業は、国内需要の鈍化と、新規の輸出注文減少が響いている。世界経済、石油・ガス産業、小売部門、そしてEUについての国民投票が原因である。この状況は、向こう数か月は変わらないであろう。第2四半期は、経済にとって厳しい状況が続きそうである」と述べた。

英国がEUを脱退するかもしれないことは同国の経済に影響を与えているが、政府がどのような対応をするかは不明なまままである。イングランド銀行総裁 兼 金融政策委員会代表を務めるマーク・カーニー(Mark Carney)氏は2月、「EU脱退をめぐる国民投票については、何も言いたくない理由が山のようにある」と、報道陣に述べていた。

同氏によると、同委員会は、EU脱退をめぐる国民投票も含めて、市場の変化やショックへの危機対策を持っている。しかし、特定の事柄について前もって話すつもりはないという。

金融政策委員会は5月12日、利率について新たな発表をする予定である。

*この記事は、米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです(原文記事:ELIZABETH WHITMAN記者「Silicon Valley Diversity Problem: Will The UK Leave The EU? Brexit Question Weighs Heavily On British Economy」)