米国:マサチューセッツ州の医療用マリファナ・プログラムが約3000万円の収益

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マリファナ
作業員が新しく用意した医療用マリファナを詰めたタバコを差し出した。2013年5月28日、イスラエル北部のナザレ(Nazareth)の町に近い農園でこの写真を撮影した。 アミール・コーエン(AMIR COHEN)さん

未だ目新しい米マサチューセッツ州の医療用マリファナ・プログラムは、昨年度は赤字となって終了したが、2016年度にはわずかな収益をもたらすことになるだろう、とニュースウェブサイト「マスリブ(MassLive)」は10日、報じた。2015年度には117万ドル(約1億2,000万円)の赤字であったが、マサチューセッツ州の保健省が発表した新たなレポートによると、同プログラムは2016年度の支出が約298万ドル(約3億2,000万円)であるのに対して、収益は総額330万ドル(約3億5,000万円)となり、差し引き32万610ドル(約3,000万円)の黒字になる見込みである。

米国政府の会計年度は暦年と同じで1月から12月までである。

また、マリファナ・プログラムは今年度、マリファナに関係する新しいサポートセンターや薬局も開設する予定だ。

州当局は赤字を回避するため、保健省の安全性と品質の局から資金を活用しなければならなかったとマスリブは報じた。医療用マリファナ・プログラムを管理する公衆衛生局のモニカ・バーレル(Bharel)理事は、赤字は情報技術とプロジェクト開始のためのコストに関わるものだったとマスリブに語った。

「一回限りの問題だった」とバーレルさんは語った。「昨年、実現できた進歩を本当に誇りに思う」と彼女は加えた。

米国では州によってマリファナの合法性が異なる。医療用のマリファナのみ認める州、医療と嗜好用の両方を認める州など様々である。  InsideGov

日本では厳しく規制されているが、米国各州でのマリファナ合法化の動きが加速するきっかけとなったのが、カリフォルニア州で1996年に実施された「医療目的によるマリファナ販売・所持合法化」を認める住民提案である。賛成55.5%で採択され、マリファナの服用が一部の疾患に効き目があるとの説を背景に、エイズ、関節炎、緑内障、片頭痛などの患者に対して、医師の承認によってマリファナ調剤薬局で販売を認めるというもので、米国での医療用マリファナ非合法化の先駆けとなった。マリファナが中毒症状を引き起こす麻薬かどうかの論争は続いているが、とりあえず医療目的に限って州単位で解禁するという動きは全米各州で広がっている。2012年の大統領選挙と同時に実施されたコロラド、ワシントン両州での住民投票で、医療目的だけでなく嗜好(リクリエーション)用マリファナ販売も認める提案が賛成多数で承認された。

マサチューセッツ州の有権者は2012年に医療用マリファナを承認したが、マリファナ推進プログラムの進捗は遅れているため、推進を望む活動家の間では不満が広がっている。有権者によって承認された法律は税収中立にとどまるために医療用マリファナプログラムを必要としている。保健省による新たなレポートは、プログラムには、マリファナを広めるための非営利団体と医師、患者、個人の介護者、薬剤師が登録され、「法規制を満たしている」と説明している。同州で初めて医療マリファナとして登録された薬局は、2015年6月にようやくオープンした。それ以降、他にもマリファナを扱う薬局が開設され、同州では合計6つが開設された。

「医療用マリファナ調剤を登録された暫定証明書を持つ12の薬局が、様々な段階で審査中である」と最近発表されたマサチューセッツ州保健省のレポートは述べている。州の人口の98%以上が、実際にある、または、予定されているマリファナ調剤を行う薬局から約40キロ以内に入ることになるだろう」と最近の保健省の報告書は述べている。 

現在、同プログラムに、2万4,196人の患者、149人の認定医、昨年オープンした登録申請のための新しいサポートセンターも含まれる。

マサチューセッツ州は、米国の多くの州の中でもマリファナ使用を進めている州の一つである。マサチューセッツ州では2012年9月に医療大麻解禁の是非を問う住民投票が行われ、58%が賛成を表明し可決された。米国では医療用マリファナをどのように産業化するのか、今後さらに模索が続くだろう。

2016年のマサチューセッツ州では、大麻をアルコールと同じように課税及び管理しようと言う議案提出権を獲得するために必要な有権者6万4,000人の署名を集め始める予定とされる。この議案には28g以下の大麻所持及び283g迄の自宅での所持の自由や12本迄の栽培の自由などが含まれる。嗜好用マリファナの合法化に向けた取り組みが見られるものだ。

保健省が今年初めに発表したレポートによると、今秋行われる投票によって嗜好用マリファナを認める法案が可決された場合、2020年までにマサチューセッツ州でマリファナは11億ドル(約1,200億円)規模の産業となる可能性があると指摘している。マサチューセッツ州の上院議員が1月に、コロラド州のマリファナのプログラムについて学ぶためにコロラドを旅行したとウェブサイト「WBUR」が報じた。マサチューセッツ州が嗜好(レクリエーション)用マリファナを合法化した場合、医療目的外のマリファナを認めた4州(コロラド、ワシントン、オレゴン、アラスカ)とワシントンD.C.に続くことになる。

*この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。(原文:ABIGAIL ABRAMS 記者「Marijuana Legalization 2016: Massachusetts Medical Weed Program Earns A Mere $320,610」)