ソニーがロボット復活か、米AI企業に出資 来年にも製品化

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ロイター

ソニー(6758.T)は人工知能(AI)の開発と事業化を本格的に強化する方針だ。第一弾として米AI専門企業コジタイ社(カリフォルニア州)に出資(金額は非公表)。共同開発を通じてAIを駆使した製品やサービスを、早ければ来年にも投入する。

具体的にどのような製品かは明らかではないが、ソニーがかつて手掛けていたロボットを復活させる可能性もありそうだ。

ソニーグループでAI関連の研究開発を統括するソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)の北野宏明社長と、ソニーが開発、販売していた犬型ロボット「AIBO(アイボ)」を手掛けた藤田雅博氏(中長期事業開発室チーフテクノロジーエンジニア)がロイターに明らかにした。

コジタイ社は昨年9月、AI分野の主要テーマである「継続学習」が専門のマーク・リング博士ら3人が設立。先週、ソニーが出資を完了した。共同開発の成果としての製品やサービスの投入時期は1─3年後を想定している。

ソニーCSLの北野社長は「好奇心を持った人工知能」がテーマの一つになる見込みだと述べた。

<AI事業化、ハードウェアを意識>

現在、第3次とされるAIブームが到来。先日、世界トップ棋士を破ったAI「アルファ碁」を開発したディープマインド社を傘下に持つグーグルや、人気クイズ番組の王者を破った「ワトソン」を開発したIBM(IBM.N)をはじめ米国企業が優勢と見る向きが根強い。

北野氏は、インターネットなどサイバー空間でのAI技術の進化を主導する米企業に対し、ソニーが「追いつかない部分がある」と認めながらも、「我々はCE(コンシューマー・エレクトロニクス)機器をたくさん持つ。家庭など『物理空間』から(AIを)展開することは非常に面白い」と述べ、ソニーの本業であるCE機器を足掛かりにAI関連事業を広げていく考えを示唆した。

<AIBOとQRIO、復活なるか>

その場合の製品やサービスのイメージについて北野氏は「計画はあるが答えられない」とした。AIをソニーの成長分野とするとの社内での合意の有無について同氏は、「平井(一夫社長)、吉田(憲一郎副社長)からもこれで突っ走るとエンドース(承認)されている」と強調。コジタイ社への投資は「ファースト・ステップ」(北野氏)として、第二弾、第三弾の展開が今後あることを示唆した。

ソニーは2006年、15万台の販売実績があったAIBOと開発中だったヒト型ロボット「QRIO(キュリオ)」から撤退。ブーム再来でAIと親和性の高いロボットにソニーが再参入する期待も高まりそうだが、北野氏、藤田氏ともに明言はしなかった。

AIBOやQRIOの開発を手掛けた藤田氏は、「感動や好奇心を引き出せる商品にしていく。単に役に立つというだけの機能ではない何かだ」と述べた。