メガヒットの理由は玉の輿イメージからの脱却?『美女と野獣』25年を経ての変化

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現在大ヒット公開中の『美女と野獣』。100億円越えも確実と言われる本作だが、その基となるアニメ版が公開されたのは1992年。25年を経てヒロイン、ベルの描き方は大きく変わった。

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アニメ版公開当時、ディズニーアニメーションは『リトル・マーメイド』(89年)に代表される「ディズニープリンセス」=「王子様と結ばれ幸せになるヒロイン」像が主流。アニメ版のベルの描き方にもディズニープリンセスが表れていた。本好きの風変りな娘だが、それ以上の個性は発揮されず、野獣の屋敷に囚われてからは、か弱い存在だった。

だが、実写版では勇敢で知的な女性として描かれた。変わった点をざっと挙げてみると――

●ベルの本好きが強調され、読書を通じて外の世界に目が向いているため、町での生活に息苦しさを感じている。野獣の屋敷では広々とした書庫に感激し、読書を通じて野獣との触れ合いを深める。

●読書をするだけでなく、子どもたちに読み方を教えている。

●馬を使い、洗濯を半自動化させる親譲りの発明をしている。

●父を探して野獣の屋敷に入ると、囚われた父を突き飛ばして自ら身代わりとして牢に入る。

●牢では、衣類を結んで窓から脱出を試みる。

●野獣の求婚に対して「うれしいが、自由がないのはイヤ」とハッキリ言う。

意思の強いヒロイン像は、演じたエマ・ワトソンのパブリック・イメージも影響しているだろう。国連の女性の地位向上を目的とする組織「UNウィメン」の親善大使を務め、男女平等を訴えるスピーチを行うなど、ディズニープリンセスとは真逆ともいえる行動を見せている。

実は15年の実写版『シンデレラ』でもシンデレラの描き方は意志の強いヒロイン像に変わっていた。亡くなる前に母親はエラ(シンデレラではなくエラに変更)に「優しさと勇気を忘れないこと」と言い残し、エラは継母や彼女の2人の娘からの仕打ちに対して「優しさと勇気を持って」我慢強く接する。アニメ版の「いじめられるだけのシンデレラ」とは大きく異なっている。

 「おとぎ話のアニメ」なら「ディズニープリンセス」も成り立つだろうが、実写映画化では現代社会を踏まえてリアルなヒロイン像に変更したといえそうだ。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)

日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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