茨城県つくば市の独立行政法人「物質・材料研究機構」は6日、水に溶けたヒ素を効率的に除去できる材料を開発したと発表した。数十ナノメートル(ナノ=10億分の1)の微細な穴が無数に開いたアルミナ材料で、穴の内表面にヒ素だけを優先的に吸着させる化合物を敷き詰めた構造になっている。アジアやアフリカ地域では、飲料水が毒性の強いヒ素に汚染されているため、安全な水の確保への活用が期待される。
開発したのは、エジプト人研究者、シェリフ・エル・サフティ主幹研究員の研究チームで、新しい材料はヒ素濃度が2-5ppm(ppm=100万分の1)の水18ミリリットルに対して、約90%以上の除去率を示す。
一般的な吸着材のゼオライトはヒ素以外の様々な物質も取り込んでしまうが、新材料はほかの金属イオンが水の中に含まれていてもヒ素を優先的に吸着させる。また、ヒ素を吸着すると白色から青色に変化するため、汚染を調べるセンサーとしても利用できる。
ヒ素は人体に取り込まれると、皮膚などに障害を引き起こす。死に至ることもあり、地下水のヒ素汚染が深刻な途上国では、効率器な浄化技術が求められている。開発された新素材は、大量生産が容易でコストも安く、水処理プラントだけでなく個人レベルの使用も可能だという。
(Photo: 写真素材 足成)
水に溶けたヒ素を効率的に除去できる材料が開発された
