2012年1月30日 08時00分 更新
経済危機に陥った国に誰が投資するのか

多額の借金を抱えるギリシャでは資本が不足している。1兆円を越える金額がスイスを含める国外に流失しているという。
信用を失ったギリシャに投資する人はいない。スイスに居住する大富豪のギリシャ人でさえ、祖国を支援する気はないようだ。
スイスには大富豪のギリシャ人が住んでいる。伝説的な船主アリストテレス・オナシスの孫娘や、精油所、不動産会社、銀行を所有するスピロス・ラトシス氏、船主であり芸術収集家だったスタヴロス・ニアルコスの子孫などだ。
スタヴロス・ニアルコス財団(Stavros-Niarchos-Foundation)は貧困にあえぐ祖国の人々に食料を調達するための資金を出しているが、外国に住む大富豪が雇用創出や財政援助のために祖国ギリシャに投資するといった話は聞こえてこない。
世界で活躍する億万長者で、レマン湖畔にソフトウェア会社を持つジョージ・コーキス氏はドイツのテレビ放送で、自分は誇りあるギリシャ人だが、故郷に投資するつもりは全くないと打ち明けた。「なぜ無駄だと思う相手に私の財産を投資しなければならないのか。ここにいるほかの人たちもそれを口に出そうが出すまいが同じように考えているはずだ」
ギリシャに投資する人はいるのか
「これは正直な意見だ」とギリシャ人弁護士のイリアス・ビシアス氏は言う。ビシアス氏は16年来、アテネとチューリヒで、ギリシャとスイスの国境を越えた法律事例を専門に扱っている。また、アテネのスイス大使館の委嘱も受けている。「恐らく、スイスに住む富豪のギリシャ人は、道徳的に祖国を苦境から救うべきだと責任を感じているだろう。しかし、現在はどんな投資計画が持ち上がっても不信感や慎重な姿勢が崩れることはない」
「利益を見込めないところには誰も投資しない」と言うのはベルン大学国民経済研究所で13年間教鞭を執っているハリス・デラス教授だ。














