中国の貿易・為替政策で米雇用が最大240万人喪失=米シンクタンク

  on

 米シンクタンクの経済政策研究所(EPI)は23日、中国の貿易慣行と為替政策により、2001─08年に米国で最大240万人の雇用が失われたとする報告書を公表した。

 同報告書でEPIは、中国の「為替操作」が米国の対中貿易赤字拡大の主な要因となっていると指摘。中国のその他の慣行も米国の赤字を拡大させているとした。

 EPIのエコノミストで同報告書を作成にかかわったロバート・スコット氏は声明で、中国当局による介入が最大の問題であると指摘し「こうした介入により人民元相場が人為的に低く抑えられ、これが実質的な輸出補助金となっている」と批判した。「中国が人民元の実質相場を少なくとも40%上昇させ、貿易をゆがめる他の要因を取り除かない限り、米国の貿易赤字の急拡大と失業率の急上昇は続く」とした。

 米国の対中貿易赤字は、08年には過去最大の2680億ドルと、01年の830億ドルから急拡大した。ただ09年は、金融危機により貿易量が世界的に急減したため、2億2600万ドルに縮小している。

 EPIは報告書で、為替政策の他に米国の貿易赤字を増大させている要因として、中国が「大規模な」産業補助金を支給していることや、労働と環境に関する法律を厳格に適用していないことに加え、知的所有権の侵害や市場参入を阻む障壁が存在することを挙げた。

 対中貿易赤字拡大により、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した01年末以降、米国で失われた雇用は240万人に上ると推計。「コンピューター、電子機器、電子部品の各産業で対中貿易赤字が最も拡大した。01年から08年の間に失われた雇用の26%に相当する62万8000人の雇用がこれらの産業で失われた」とした。