焦点:中国の新たな民間投資促進プラン、既得権益の抵抗受けるリスクも

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中国国旗

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ロイター

 企業の民営化が緩慢な進展をみせていたこの10年間を考えれば、国有企業が支配している産業の開放を中国政府が新たに進めていることは大胆に見えるかもしれない。政府は、世界貿易機関(WTO)加盟に伴う恩恵の拡大を目指しているが、既得権益からの激しい抵抗に遭っている。

 中国がWTOに加盟して10年がたち、中国の指導部やシンクタンク、世界銀行や民間のエコノミストはいずれも、中国が改革に裏付けられた成長を築いていることを大体において認めている。国有企業はさらに競争力を磨き、資本が一段と効率的に配分されなくてはならない。

 高速道路やヘルスケア、鉄道といった分野で民間投資を認める詳細なプランが公表されたが、これが本当に産業界における国家の関与を減らすのに役立つかは疑問だ。こうした産業では、経営幹部が閣僚級の社会的な地位を享受しているほか、企業が資本や契約を獲得するのに優先権を持っている。

 ソシエテ・ジェネラル(香港)の中国担当エコノミスト、Yao Wei氏は「文書を出せば済む話ではない。単なるお遊びのレベルなのか、民営企業が銀行へ行けば国有企業と同じ条件で借り入れができるのか、国有企業と同じように補助金を受け取ることができるのか疑問だ」と述べた。

  国務院(内閣に相当)は2005年、民間投資の奨励通達「非公36条」を公表したが、失敗を受けて2010年に「新36条」と呼ばれる新たな基本政策を発表した。

  政府系大手の抵抗は決して小さくはない。

 市場を支配している大手国有銀行は、貸出金利と預金金利が規制で保証されており、大きな利益を得ているほか、国有企業は大きなビジネス契約で競争を免れている。

 大手行の利益規模でみると、時価総額で世界最大の銀行、中国工商銀行(ICBC)(1398.HK)(601398.SS)の第1・四半期の利益は、JPモルガン(JPM.N)、シティグループ(C.N)、ウェルズ・ファーゴ(WFC.N)の各利益を合わせたよりも大きかった。