アップル「iPhone 5」の特徴に? タッチパネル上に物理的なボタンが出現―米社が新技術

2012年6月8日 04時29分 更新
タクタス・テクノロジーが開発したタッチパネル上の物理的ボタン
タクタス・テクノロジーが開発したタッチパネル上の物理的ボタン

 アップルの「iPhone(アイフォーン)」が2007年に発表されたとき、そのシンプルな機能性に多くの人が魅了されたものだが、同時に物理的なボタンがなくなったことへの不満も多く聞かれた。電話の画面を見ていなければ、自分が入力している電話番号や文字がわからない。また、ボタンを押すときに音を出すなどの設定をiPhone上でしなければ、自分が何かのボタンを押したかどうかのフィードバックを得ることが出来ない。

 5年後の現在、iPhoneは世界一有名なスマートフォンとなっている。しかしタッチパネル上のデジタルキーボードの使用感は、物理的なボタンやキーボードの使用感ほど満足されてはいない。米タクタス・テクノロジー社は5日、「SID Display Week 2012」で、このタッチパネル上のキーボード使用感への答えを発表した

 タクタス・テクノロジー社は、スマートフォンのタッチパネル上に、物理的なボタンが浮き上がり、指でボタンを触って操作できるというインターフェースのプロトタイプを紹介した。必要なときだけボタンを表示させ、要らないときにはただの平面に戻るという画期的な技術だ。

 タクタスは紹介ビデオ(http://vimeo.com/43431035)で、人間がかつて世界は平面だと考えていたが、それは間違いで、地球は丸かったことを例に挙げ、「長年、私たちはタッチスクリーンが平面のみだと信じてきたが、それは間違いだった。新しいダイナミック・スクリーンの時代へようこそ」と語る。

 タクタスのクレイグ・シェスラ(Craig Ciesla)最高経営責任者(CEO)は、2007年当時のiPhoneを使ってみた結果、ボタンについては自分がこれまで使っていたRIM(リサーチ・イン・モーション)のブラックベリーの方が好きだと気づいた。そこで、タッチパネルのすばらしい特徴を残しつつ、物理的ボタンの操作感も味わえる方法を模索してきた。「(同社が開発した物理的ボタンにより)通常のタッチパネルの機能をすべて損なわず、そのパネル上に現れる物理的なボタンを使うことが出来る」と語った。

 この技術は、「マイクロ流体工学」に基づいている。タッチパネルの膜の下にオイルが流れる場所があり、必要に応じてオイルを充填させ、物理的なボタンを作るという。現在はスマートフォンやタブレットPC向けのキーボードやボタンのみに対応するが、タクタスは将来的に、あらゆる形のインターフェースに対応させたいとしている。

 シェスラCEOは「ゲームや家電、カーナビなどタッチパネルがあるところではどこででも見られるようなインターフェース」を生み出したいとし、「ただQWERTYキーボードを作るだけでなく、どんなタッチパネル上にも様々に異なった形を作れる、ダイナミックに動く物理的な表面を創造すること」が目標だと語った。

 タクタスは2013年半ばにも、同技術を初めて商品化する見通しだ。しかしこの技術をより早く見られる可能性もある。似たような技術が、「iPhone 5」と呼ばれるアップルの第6世代スマートフォンに搭載されると報じられた。

 米国特許商標庁は5月3日、アップルが新たに出願した特許14件の内容を公開した。その中に、タッチパネルの表面が変形し、ボタンや矢印などを立体的に浮き上がらせる技術が含まれている。

 アップルによると、これは触覚を利用した技術で、ゴムのようなものからポリエステルまで伸縮性のあるどんな素材からでも作れる弾力性のあるスクリーンが複数に重なったタッチパネルを用い、「振動や変形など、あらゆる作動」ができるという。この技術は、iPhoneやiPad、iPod Touchなど、アップルのポータブル機器ほぼ全てに搭載可能となっている。

 なお、アップルの次世代iPhoneは、今年9月か10月にも発表されると噂されている。