任天堂の「WiiU」投入、「2画面」競争に火ぶた

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ロイター

 任天堂(7974.OS)が発表した次世代の据置型ゲーム機「WiiU」は、テレビ画面と連動するタブレット型コントローラー「ゲームパッド」を付属しているのが特徴だ。これは、ゲーム各社が2画面でのゲームを主流にするという大きな賭けに動き出したことを象徴している。

  ソニー(6758.T)、米マイクロソフト(MSFT.O)、任天堂(7974.OS)のハードメーカー3社が今週の世界最大のゲーム見本市「E3」でアピールしたのは、テレビ画面と別に、手元のもう1つの画面を連動させる仕組みだ。

 ソニーは一部のゲームソフトで携帯ゲーム機「プレイステーションVITA(ヴィータ)」の画面を「プレイステーション3」の付属スクリーンとして連動させることを発表したほか、マイクロソフトは、ユーザーが自身のタブレット型端末やスマートフォンのスクリーンを、自社の「Xbox」のゲームの画面として活用できるアプリケーションソフト「スマートグラス」を公開した。

 これを受けてフランスのユービーアイソフト(UBIP.PA)などゲームソフトメーカーは、2個目のスクリーンを活用できるゲームを考案。任天堂によると、少なくとも23本がWiiU向けに開発されていると発表した。

 ビデオゲーム各社は、その顧客層がインターネットや、米アップル(AAPL.O)製「iPad(アイパッド)」など携帯端末でのゲームに奪われており、これを奪回するための方法を模索している。

 ただ、調査会社NPDの最新リポートによると、米国では4月にハードウエアの販売が30%超落ち込んだ。この2画面の採用が785億ドル規模の業界を押し上げる十分な効果があるかについてはまだ見通しが立っていない。

 2012年3月期に初の営業赤字を計上した任天堂は、新型の据置機の投入で巻き返しを図る。その利点について同社は、2個目の画面を使用することで複数のプレーヤーが同時に違う方法で1つのゲームを行えると説明しており、岩田聡社長も「実際に触ってみれば、(WiiUを)持つようになる」と述べている。

 一方、2画面という発想はパソコンでゲームを行うユーザーにとって新しいものではなく、関係者の多くが依然として懐疑的な見方を示している。テイクツー・インタラクティブ・ソフトウェア(TTWO.O)のストラウス・ゼルニック最高経営責任者(CEO)は、2画面がゲーム業界に変革をもたらすことはなく、ゲームに没頭できず気が散ることをユーザーは望まないと指摘した。

 米アクティビジョン・ブリザード(ATVI.O)傘下のゲーム開発・販売会社アクティビジョン・パブリッシングのエリック・ハーシュバーグ氏も疑問を投げかけており、「2個目の画面は興味深いが、主画面でのゲームに没頭することを手助けするようなものであるべきで、関係のない情報で邪魔するべきものではない」と指摘。その上で「これはゲームのやり方を拡充するものであって、変化をもたらすものではない」と述べていた。