セクシーアンドロイドが踊る、ロボットレストランは東京のパラダイス―米国記者レポート

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ロボットレストラン

ロボットレストランはセクシーなアンドロイドと光が繰り広げる壮大なパラダイスだ。東京の性産業をターゲットにした観光ツアーのドル箱として頂点を極めている。

アイビータイムズ/コナー・アダムス・シートさん


ロボットレストランはセクシーなアンドロイドロボットと光が繰り広げる壮大なセクシーパラダイスだ。東京観光のドル箱として現在、大きな話題になっている。写真: IBTimes/コナー・アダムス・シート(Connor Adams Sheets)さん

 東京都新宿区歌舞伎町の歓楽街は、さまざまな欲望が渦巻く町だ。通りには公然と売春婦を売り込む客引きが立ち、多くのバーの裏通りには使用済みパンティーの自動販売機が並び、路上には酒に酔った客の嘔吐物が残されたままだ。しかし、ロボットレストランへ入って地下2階までの階段を下れば、そこはまるで万華鏡のようにゴージャスでギラギラと輝く異空間である。

 2012年7月にオープンした歌舞伎町のロボットレストランは、東京で建設された最も高価な(総工費約100億円とも言われる)セックスアトラクションだが、性風俗産業を魅力とした観光ツアーのドル箱として、日本有数の歓楽街でのスマートな投資であることがわかる。性愛のあふれる歌舞伎町において、ここには「トーキョー」のすべてを感じさせてくれる何かがある。

 中でも、このロボットレストランでほぼ毎晩2回行われる座席数約100のショーは常に満員になり、この界隈で頂点を極めている。ウェブサイト「タイムアウト・トーキョー」で、ロボットレストランは「東京で最も行ってみたい場所」ランキング1位に選ばれた。さらに英ロックバンド「ミューズ(MUSE)」のヒットシングル「パニック・ステーション」の初のセルフ・プロデュースミュージックビデオは、このロボットレストラン内で撮影された。

 この地下空間には約1万2,000のLED電球がギラギラと輝き、ポリマー製のクラクラするような派手な立体装飾が壁一面にびっしりと埋め込まれ、トイレの便器までもメッキのゴールドでピカピカに飾られている。ショーを見るため約5,000円を支払い、私たちはビールを受け取って、スタジアムにあるようなテーブル一体型のシートに案内され、始まりを待った。

 アフリカの民族音楽のような演奏が流れる中、仮面をつけたドラマーやトーチを振り回す人などが現れ、何やら奇妙な踊りが始まった。壮大な未来をイメージしたにしては、どこか時代錯誤も感じさせるパフォーマンスでショーは幕を開けた。

 次のダンスが始まると、肌をあらわにしたコスチュームの若い日本人女性ダンサーの一群がフロアーを踊りまわる。頭をかき乱すように振り、じらすようにいざなう動きをしながら、彼女たちは若い肉体を見せつけてくるため、飽きることはない。うっとりと魅了された観客たちの中には歓声をあげる者や、カメラ付き携帯電話で猛然とシャッターを切っている者もいる。この後、一体何が起こるのか全く予想もつかない。

 ショーが進むにつれて、やがてディズニーランドのキャラクターの衣装を身に着けた女性たちが現れ、クロム合金でメッキしたターミネーターの鎧のような衣装をつけてスケートでフロアーを駆けまわる女性ダンサーへと入れ替わる。近未来をイメージしたイルミネーションが散りばめられた衣装の女性たちが、がっちりした大型エイリアンの獣たちと激しい戦いの踊りを繰り広げる。その一方で、コンピュータグラフィックスによる曖昧で脈絡のない映像が壁や天井に取り付けられた100枚以上のフラットスクリーンに映し出されて、中世の戦いと近未来的な戦闘が続く、意味不明のセリフのない物語が進行していく。

 約30分間、高価な小道具とコスチュームを着けた女性たちはさらに息の合った激しいダンスを踊り続け、最後には打ち響く絶え間ない音楽と、まるで2007年公開の米映画「トランスフォーマー」(変型するロボット)から抜け出してきたかのようなロボットたちが入り乱れた後に、ショーは休憩に入った。短い休憩時間は強烈な刺激を受けた私たちの脳細胞を一時休ませてくれる。そんな中でロボットショーは第2幕へと進んでいく。


ロボットレストランはセクシーなアンドロイドと光が繰り広げる壮大なパラダイスだ。東京の性産業をターゲットにした観光ツアーのドル箱として頂点を極めている。写真: IBTimes/コナー・アダムス・シートさん

 観客全員にすばやく2回目の飲み物が配られると、視覚への猛襲が再び始まるのだという思いが高まった。豊満な胸をしたロボットが出てきて喝采が沸き上がる。冷たいプラスチックのロボットたちは女性型アンドロイドの「ガイノイド」のようにも見える。

 永遠にまばたきすることのない目をまっすぐ前へ見開いたロボットたちは、女性用下着を着ているデザインで、巨大で奇妙な機械装置は米ミュージシャンのマリリン・マンソン(Marilyn Manson)の1996年リリースのアルバム「アンチクライスト・スーパースター」の中に出てくるセックスシンボルのロックスターを描写したモデルにも似ている。ロボットたちの性奴隷と退屈な未来社会を統治する、ギリシャ神話の地獄の死者ハーデースのようにも見える。

 ロボットレストランを宣伝するトラックは都内を走りまわっている。宣伝費をかけただけの効果があり、やがて広告に惹きつけられた客たちが集まってくるようになった。

 現代社会でずっと続いてきた現象だ。ここ何年もの間、東京を訪れた人々はネオン、セックス、テクノロジーなどの巨大産業の中で夢中になってきた。ロボットレストランは、いたるところに存在する夢の縮図だ。そこには確かに魅惑の世界が広がり、わかりやすいファンタジーと奇妙で下品だが目新しい世界と遭遇することになる。

 フロアーの女性ダンサーたちはLED電球が散りばめられた戦闘機や戦車によじ登ったり、まるで雄牛にまたがるように戦闘機にまたがったりすると、拍手喝采の観客に笑顔で手を振りながら、スタジアムの床の上を縦横に乗り回す。それから金属製の機械装置を一台ずつメチャクチャなローラーコースターの軌跡のように上下させながら、フロアー内を移動する。


ロボットレストランはセクシーなアンドロイドと光が繰り広げる壮大なパラダイスだ。ショータイムでフロアーを走行する戦車。写真: IBTimes/コナー・アダムス・シートさん

 約60分のショーは、ダンサーが中空のお立ち台から飛び降りて、スキップしながら楽屋へと退場して終わった。会場にあった機器がすべて舞台裏へと動かされていく中で、観客は外へと向かい、その背後でスタッフが午後11時からのショーに向けて大急ぎで準備を進めていた。

 私たちは重い足取りで閉鎖空間の階段を昇り、夜空の下へと出た。わずか1時間前に欲望をそそられるように感じた歌舞伎町の熱気は、もうなかった。ニューヨークから飛行機に乗って日本にやってきた。期待していた恍惚の瞬間を体験できたが、それとともに心の中にこれまで体験したことがあるストリップクラブの感覚も残った。

 ホテルに戻る途中で寿司屋に立ち寄って、そこで出された緑茶を飲みながら、島国日本の古来からの儀式に思いをはせた。東京は両極端の都市であり、ロボットレストランは、その最先端を行くワンシーンにすぎない。

 *この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。