ホンダのバイク、イスラム過激派に大人気―タリバン誌

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ホンダの125ccバイクの素晴らしさをつづったタリバン発行誌「アザン」

ホンダの125ccバイクの素晴らしさをつづったタリバン発行誌「アザン」

Azan

 「我々ムジャヒディン(聖戦士の意味)は、ホンダの125とともに戦い、勝利してきた」――タリバンによって3か月ごとに発行される英語の雑誌「Azan(アザン)」の最新版に、このような記事が出た。

 ホンダはきっと、この「お客様の声」を受け入れることはないだろうが、ホンダの125ccのバイクへの敬意が、その雑誌に掲載された。日本の本田技研工業が1970年代に、未発展または発展途上国向けに造ったバイクで、特に交通渋滞問題が取りざたされていたリオやムンバイなど向けの商品だ。それ以来、イスラム過激派は耐久性があり低価格のそのバイクを採用してきた。もし、アフガンの奥地で顔を隠したタリバンがバイクにまたがっている写真をみる機会があれば、その多くがホンダの125ccのバイクだ。

 過激派のムスリムとしては恐らく初めてとなる乗り物のレビューは、「司令官ムハンマド・ビン・ファルーク」という名前で書かれており、小型で低価格のホンダのバイクが「戦馬」のようだと評価している。戦士をもう1人乗せられるだけでなく、現在のテロリストが必ず携帯しなければならないもの、例えばロケット弾や弾薬なども、十分に運べるからだと言う。記事によると、バイクの安全バーは、シート脇のサイドバッグに入りきらなかった軍需品を入れる「カバンやその他のものを結びつけるのに役立つ」という。

 タリバンは、ホンダのバイクを戦いの必需品として見ている。混雑した都市部に爆発物を運ぶ手段として、小型バイクは何度も使用されている。12月5日には、小さなバイクに取り付けられた爆弾が、パキスタンにある警察の検問所で爆発し、1人を死亡、13人を負傷させた。その2週間ほど前には、その近くのクエッタという場所で同様な爆発があり、7歳の男の子を含む5人が死亡、30人が負傷していた。

 報道では、このような事件に使われた乗り物の車種などに触れることはほぼない。ただパキスタンでは、本田技研工業とパキスタンのアトラスグループによる合弁会社、アトラスホンダが製造した「CG 125」が、(合法的な)輸送手段としてよく使われている。

 ホンダによると、発展途上国向けのバイク開発を担当していた稲垣氏がおよそ1か月かけて東南アジアやパキスタン、イランのバイク利用状況を観察した。その結果、彼らが欲しがっているのは多くの荷物が載せられるバイクだと気づいた。「(ガソリン)タンクの上に子どもが乗り、後ろに妻が乗るというように、2~4人が一緒に乗る光景は普通に見られた。また野菜やニワトリ、豚を積んだバイクも見られた」と稲垣氏は語った。

 そこでホンダは「すべての実用性と耐久性を超えた」バイクを作ろうと決める。その結果、ラバのように荷物を運べて、メンテナンスのしやすい軽量な単気筒インラインエンジンが生まれた。これが、戦士にとって完璧なバイクとなったのだ。

 ホンダのバイクのほかに、イスラム系過激派が好んで使う輸送手段は、トヨタのピックアップトラック「ハイラックス(HiLux)」だ。どちらの日本企業も、(イスラム系であれ他のものであれ)過激派の間でこの2モデルが人気を博していることを歓迎はしないかもしれない。しかし裏を返せば、両社が世界で最も貧しく、不安定な地域の市場に浸透している証拠でもあるのだ。

 アザンを読みたい方は、コチラから。