ビットコインが課税対象に:シンガポールの新税制はグローバル化に必要

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 世界の各政府が、デジタル通貨「ビットコイン」の扱いを決めかねている中、シンガポールがビットコインでの商品・サービス購入に対し課税すると決めたことは、重要な意味を持つ。自由で、革新的で、ビジネスに優しいアプローチをとる市場経済として世界に知られるシンガポールの税務当局が、ビットコインへの課税方法について明確なガイドラインを提示した。これはそのデジタル通貨の規制への大きな一歩となるだろう。

 ビットコインを課税対象とした国はシンガポールが初めてではないが、その明確な税規定が世界標準となるかもしれない。それはビットコインを取り巻く世界にとって良いこととなりそうだ。

 昨年は、ビットコイン相場の急上昇が話題となった。ただし、名前ばかりが聞かれ、その実体についてはよく理解されていない印象も受ける。このデジタル通貨は5年以上前から出回っており、人気が爆発したことで、世界中の政府の関心を引いた。しかしネット上だけに存在する通貨について、誰も規制したり、課税したりする方法を本当には理解していないようだった。

 例えば、昨夏、ドイツはビットコインを個人のお金とみなすとの立場を明らかにした。それはつまり、個人の売上やキャピタルゲイン税を通してビットコインに課税するという意味をもつ。しかし、その税法の実施方法や、ビットコインを決済に採用する仮想店舗への課税方法などが明確でない。また、昨年の終わり頃には、スロベニアが(通貨の利用形態にかかわらず)すべての収入は一般所得税の課税対象となるという声明を発表した。しかし、ドイツもスロベニアも、あまりにも多くの未回答部分を残したままだ。

 米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、「ビットコインのような仮想通貨には合法的な利用があり、禁止されるべきではない」と述べている。しかし米国税庁からの明確な指針がない状態では、企業の経営者や商売人、投資家、ビットコイン資産を持つ個人は法的なグレーゾーンに残されたままだ。彼らの有するデジタル資金が課税対象かどうか、またその方法が定かではないためだ。そこで、シンガポールの課税法が生きてくる。

 シンガポールの税務当局(IRAS)は、ビットコインの課税について明確かつ簡潔なガイドラインを示している。詳細を見てみると、例えばあなたが商品をビットコインで売るなど、取引を通してお金を稼ぐ場合には、所得税の課税対象となる。また、あなたが投資もしくはキャピタルゲインでお金を稼ぐ場合、現在はゼロ%の税率で課税対象となる(シンガポールは投資家に非常にやさしい国だ)。さらに、ビットコインは消費税の形でも課税対象となる。ビットコインを円やドルで売買したり、ビットコインでサービスの支払いをする場合などに消費税がかかる。ただし、実世界に存在しない商品やサービスの場合、例えばアバター用の衣装をビットコインで買う場合などは、課税対象とはならない。ちなみに、IRASが発表したガイドラインの全文はこちらで見ることが出来る。

 何が課税対象となるのかを見ていくのも面白い(あるいは退屈?)だが、注目すべき本当のポイントは、シンガポールの税規制がこの分散型仮想通貨の世界的な取り扱いにどのような影響をおよぼすかだ。シンガポールは2013年には香港の次に自由な経済圏として位置づけられ、自由市場が卓越する好例として注目されてきた。ビットコインにとっては、IRASの税規制ほどにフレンドリーな世界基準を設けられることで、また別次元の正当性が与えられるかもしれない。それは、この仮想通貨にとって必要なことだ。

 最終的には、ビットコイン利用者が課税を受け入れることで、世界的な代替通貨としての受け入れの道を開く必要があるだろう。当初はどの国も異なる税法を持ち、それが初めのうちは多国間でのビジネスをより難しくするだろうが、中央銀行から自由となり、その結果として地域社会やその利用者とのつながりが強まるという、本物のグローバル経済の可能性が存在する。シンガポールの新しい税制は、ビットコインにこそ必要なものなのかもしれない。