ネット販売よりも実店舗が好き!予測裏切る意外な傾向

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小売店「ベスト・バイ」

小売店「ベスト・バイ」

ロイター

 オンライン・ショッピングの台頭で、消費者は従来型の小売店では購入しなくなるという悲観的な予測がある。しかし、若者客は、モバイルのアプリの影響で、実店舗に足を運ぶようになっているという説もある。

 ニューヨークの小売店「ベスト・バイ(Best Buy)」で購入を終えたアリアナ・ケンプ(Ariana Kemp)さん(20)は「私は待つのが嫌いです。インターネット経由で商品を注文してから発送されてくるまでの時間が嫌なのです。だから、もし目の前に商品があるのなら、レジに行くのがよいとわかりました」と語った。

 彼女のスマートフォンには、ベスト・バイなど20店舗の小売店のアプリがインストールされている。しかしケンプさんは、より早くヘッドフォンを手に入れるために、自分から店舗へ足を運ぶことを選んだ。

 ギャラップ(Gallup)のデータによると、ケンプさんのように実店舗で購入することを選ぶ若者は珍しくないという。最近のギャラップの調査では、オンライン経由の情報が増えているにもかかわらず、19歳~29歳までの人々の3分の1近くが、以前より小売店に足を運ぶことが増えたという。モバイルが普及した影響で、小売店での買い物が減少した若者は15%であった。一方、以前よりも小売店で購入することが増えた若者は29%であった。

 オレゴン州立大学の教授であり、マーケティングを専門とするリン・カーレ(Lynn Kahle)氏は「オンライン・ショッピングと従来型ショッピングの関係性は複雑になっています」と解説する。

 同氏は、「インターネットのおかげで多くの情報が手に入るようになり、比較も容易にできるようになりました。しかし、小売店には実際に商品があります。消費者は、実際に見たり、触ったりしたいときもあるものです。そして、満足すればすぐに『購入』という反応に出るのが普通です」と述べた。

 多くの産業は、実店舗が”下見”だけに使われることを心配している。製品を見るために店舗に足を運び、帰宅してから安価に販売されているネット経由で購入する傾向を危惧しているのである。

 しかし、実際には、正反対のことが起こっている可能性がある。

 デロイト・コンサルティング(Deloitte Consulting LLP)のディレクターを務めるジェフ・シンプソン(Jeff Simpson)氏は「あらゆる情報がやりとりされているということは、小売店にとっては顧客の経験を高め、ブランドのストーリーを伝えるチャンスにつながるかもしれません」と述べた。

 同氏が最近出版したレポートによると、デジタル環境が、顧客を実店舗へと駆り立てていることを示している。昨年モバイルに影響された小売店の販売高は5,930億米ドルだと推測される。一方、純粋にモバイルだけを経由した販売は400億米ドルに過ぎないというのだ。シンプソン氏は、もし客が実際に店舗に行くと決めた場合、ネットショップのショッピングカートは破棄される傾向にあると考える。

 ネットで情報に触れることが、実際の店舗に行くきっかけになることもある。アプリの開発者であるマックス・タルボト=ミンキン(Max Talbot-Minkin)さんは、新しい電動シェーバーを購入するとき、ネットでチェックした後にベスト・バイに向かった。

 タルボト=ミンキンさんは、「ネットで注文しようと思ったけれど、週末までに欲しかったのです。だから、ネットで在庫があるかどうか確認して、在庫があったので仕事から帰宅する途中に実店舗に寄ることにしました」と説明した。

 とはいえ、アプリ開発者であるタルボト=ミンキンさんは、実店舗で買ったほうが良いものもあるけれど、インターネットで購入する方が便利なものもあると考えている。そして、「ネット経由で購入することのほうがずっと好きです。けれども、もし、確実に買えるかわからなかったり、早く欲しかったりした場合は、実店舗を選びます」と述べた。

 現代の消費者は、多くの場合、実店舗とネット店舗の両方を利用している。特に大きな買い物をするときほど、その傾向にある。

 *この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。