日本人は、リーダーシップの概念を知らない

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 「リーダーとリーダーシップの違いは何ですか?」

 リーダーシップ開発プログラムにおいて、受講者に聞く質問です。多くの受講者が、答えられません。

 「マネジメントとリーダーシップはどう違いますか?」

 この問いに対しても答えられない人が殆どです。リーダーシップとは何なのかを、考えたことがないのです。

 5月に、専門商社の係長研修としてリーダーシップ開発プログラムを実施させて頂きました。6月には、材料メーカーの新任マネジャーに対して、リーダーシップ開発プログラムを実施させて頂きました。

 このように中堅社員や管理職に対してリーダーシップ開発プログラムを実施する機会が増えています。

 現在、パキスタン人の学生がシェイクでインターン生として働いています。彼は、「日本人がリーダーシップの概念を知らないことに驚いた」と言っていました。

 リーダーシップとは、リーダーだけが発揮する力ではありません。

 子供の遊びの中で、誰かが新たな遊びを始めようと提案し、皆が遊び出したとき、そこにはリーダーシップが生まれます。新入社員研修において、誰かが主体的に行動し、他の人も主体的に行動するようになった時、そこにはリーダーシップが発生しています。

 中堅社員はもちろんのこと、新入社員であっても、若手社員であっても、リーダーシップの発揮が求められています。

 それにも拘わらず、中堅社員に対して、リーダーシップ開発プログラムを実施する際に「リーダーシップとは何か?」を知らない状態からスタートするのが、日本でのリーダーシップ開発の現状なのです。

 先日、実施させて頂いた材料メーカーにおける受講者の平均年齢は約40歳でした。

 この年代の受講者に対する期待は、部門を超えたリーダーシップを発揮することです。私もこの期待は、妥当な期待レベルだと思います。

 ただ、実際に育成がどこから始まるかというと、リーダーシップとは何か、を教えるところからスタートするのです。

 リーダーシップの概念すら知らない受講者に対して、職場で部門をまたいだリーダーシップを発揮してもらおうとすると、プログラムにおいては、以下のようなステップが必要になってきます。

 ・リーダーシップの概念を理解する

・自らがリーダーシップを発揮する意識に転換する

・研修内で実際にリーダーシップを発揮して、リーダーシップ発揮の感覚を掴む

・職場で発揮するリーダーシップを考えて言語化する

・実際に職場でリーダーシップを発揮する経験をしてみる

・うまくいくこと、うまくいかないことを振り返りながら自分のリーダーシップスタイルを 明確化していく

・部門をまたいだリーダーシップの発揮に挑戦していく

 実際に意識転換が起き、行動を起こせるようにプログラムを設計していますが、実際に、育成をしていて感じるのはあまりにスタートラインが低いことです。

 これまで、殆どリーダーシップ経験をしてこず、与えられた仕事を真面目にこなす仕事をしてきた人にとって、リーダーシップは、非常に高いハードルとして存在しています。

 中堅社員に職場で部門を超えたリーダーシップを期待するならば、もっと早い段階からリーダーシップとは何かを理解し、リーダーシップを発揮する重要性を理解していることが必要なのです。

 今年の新入社員研修において、人事部から、

「主体性が発揮できない」

「小粒になっていて、抜き出る人がいない」

といった言葉が聞かれました。

 実は、このような課題は新入社員に限りません。若手社員においても、中堅社員においても同じような課題があります。

「言われたことは出来るが、自分から働きかけて周りを動かそうとしない」

のです。

 主体的な行動を期待するということは、リーダーシップ発揮を期待していることに他なりません。

 リーダーシップという言葉を聞くと、リーダーだけが発揮するものだという誤解が、若手社員の適切な育成機会を奪っているのです。

 リーダーシップは、新入社員からマネジャーまで、全社員が共通して発揮するものです。

 中堅社員になってからのリーダーシップ開発では遅すぎます。

 必要なのは、“20代からのリーダーシップ開発”なのです。

 更に言うと、社会に出る前からリーダーシップを開発することが大切だと考えています。

 全員がリーダーシップを発揮することが重要だと言うと、必ず反対する人が出てきます。全員がリーダーシップを発揮したら、組織として収拾がつかないと。

 そうではありません。

 リーダーシップを発揮するということは、自分が主体者として生きることであり、周囲への価値を生み出しながら生きることです。

 リーダーシップを発揮するとは、わがままに生きることではありません。それぞれの人が自分らしさを発揮しながら、組織目的やよりよい未来に向けて、自分が出来ることを主体的に行動して実現することなのです。

 このような人で溢れている組織こそが、強い組織であると言えるでしょう。

株式会社シェイク