「不満」と「無関心」~リーダーシップ開発の3つのステップ

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 一年前、メーカーに入社し、都内の営業所に配属になった新入社員がいました。配属して一年が経過し、その営業所には変化があったと聞きました。

 新入社員が毎日大きな声で挨拶をし続けた結果、それまで、暗かった職場が徐々に明るくなっていき、一年で雰囲気が変わったのです。

 このメーカーに入社した新入社員は、職場に対して、リーダーシップを発揮したと言えるでしょう。

 リーダーシップは、一部の人が発揮するものではありません。全員が発揮するものです。マネジャーも、若手社員も、新入社員も自らの意志に沿って、主体的に行動し、人を動かすことが出来るのです。

 でも、実際の職場においては、多くの人がリーダーシップを発揮していません。シェイクの調査によると、自らがリーダーシップを発揮していると思っている人は、全体の15%に過ぎません。

 与えられた仕事を「こなす」ことに追われ、作業者化してしまっている人が多いのです。

 このような状況において、目指すものは、全員がリーダーシップを発揮する組織であると考えます。

 どうすればリーダーシップを開発出来るのでしょうか? 今回は、リーダーシップ開発を3つのステップに纏めたいと思います。

 まず、第1ステップは、「自分がやる」への意識転換です。

 育成プログラムにおいて、受講者に職場で問題意識を聞くと、多くの問題が洗い出されます。洗い出された問題意識をホワイトボードに書きだしていくと、ホワイトボード2枚程度、ぎっしり書き出されることもあります。

 例えば、

・情報共有がされていない

・人間関係が悪い

・社内の人材育成がなされていない

等など。

 「では、このそれぞれの問題を解決するためにあなたは何をしていますか?」と問いかけると、殆どの人が何も発言出来なくなります。問題は、誰かが解決してくれるもので、自分が解決する認識がないのです。

 心の中にあるのは、「不満」と「無関心」。

 「不満」「無関心」が心の中を占めている時、リーダーシップの発揮は期待できません。それは、「こうしたい」という意志が見えていないからです。意志なきところにリーダーシップは生まれません。

 小さなことでも構いません。

・もっと明るい職場にしたい

・新たな商品を開発したい

・人間関係をよくしたい

このような「こうしたい」という意志が、人に影響を与えるのです。

 「不満」「無関心」から、「自分がやる」への転換。これが、リーダーシップ開発の第1ステップです。

 でも、これは自転車に乗れない子供が、「自分も自転車に乗りたい」と思った段階に似ています。

 自転車に乗りたいと思って、自転車に乗ってみても、簡単に自転車に乗ることができるようになるわけではありません。補助輪をつけたり、転んだりしながら、自転車に乗ることを覚えていきます。

 リーシップ開発の第2ステップは、「自分はやることができる」という成功体験を持つことです。

 自転車に乗ることができない子供が、自転車に乗るようになるには、実際に自転車に乗ってみないことには始まりません。

 ポイントは「小さなリーダーシップ」経験を積むことです。

 職場の問題に対して、自らの意志で解決に向けた一歩を踏み出すなど、プロジェクト活動を通じて、リーダーシップ経験を持つことです。

 実際に行動してみれば、そう簡単にうまくは行かないことが分かります。それは、いきなり自転車に乗ることができないことと同じことです。

 実践をして、壁に当たりながらも、小さな成功体験を積むことが大切です。心理学者のバンデューラ氏によると、「自己効力感」を高めるには、「制御体験(成功体験)」が有効です。

 「自分はやることができる」という成功体験を持つこと。これが第2ステップです。

 最後のステップは、「自分を持つ」ということです。

 小さなリーダーシップを発揮する中で、どうすれば、人は自分についてきてくれるのだろう? 本当に自分がやりたいことは何なのだろう? と自問自答が生まれます。

 そのような思考と実践を繰り返す中で、

「自分は何者か?」

「自分は何をしたいのか?」

という問いに対する「持論」を言語化します。これが、自分のリーダーシップ発揮の源泉になる「志」なのです。

 自分の志が明確になればなるほど、人は、「自らの意志」に沿って行動出来るようになり、周囲に対しても大きな影響力を発揮でき、人を動かせるようになるのです。リーダーシップを発揮するということは、自分が主体者として生きることであり、周囲への価値を生み出しながら生きることです。

 リーダーシップ開発のステップとしては、「不満」「無関心」から、「自分がやる」へ意識を転換し、「自分がやる」から、「自分はやることができる」へ成功体験を積み、そして、実践と思考を通じてぶれない「自分を持つ」ことです。

 リーダーシップは、実践を通じてしか身につけることはできません。

 イキイキと働く人が増え、強い組織、強い日本を創るために、一人でも多くの人が、一日でも早く、リーダーシップ開発を始めることを

願ってやみません。

株式会社シェイク