貧困国のエボラ熱、WHOが研究の遅れを非難

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エボラウィルスの診断テスト

2014年11月3日、フランス、マルクール地区にある原子力エネルギー研究センター(CEA)の研究者がエボラ診断テストを行っていた。生命科学部門(DSV)の研究者が「eZyscreen」というエボラウィルスの迅速な診断テスト方法を開発した。このテストには特別な器具は不要で、血液、血漿、尿を垂らすと、エボラと思われる症状を呈している患者がエボラ感染者なのか15分以内に結果が出る。この診断器具の試作品がまもなく臨床現場で使用可能になる。

ロイター/ジャン・ポール・ペリッシャー(Jean-Paul

  


2014年11月3日、フランス、マルクール地区にある原子力エネルギー研究センター(CEA)の研究者がエボラ診断テストを行っていた。生命科学部門(DSV)の研究者が「eZyscreen」というエボラウィルスの迅速な診断テスト方法を開発した。このテストには特別な器具は不要で、血液、血漿、尿を垂らすと、エボラと思われる症状を呈している患者がエボラ感染者なのか15分以内に結果が出る。この診断器具の試作品がまもなく臨床現場で使用可能になる。写真: ロイター/ジャン・ポール・ペリッシャー(Jean-Paul Pelissier)さん

 エボラ出血熱の治療法を見つけることは、科学だけでなくビジネスにも大きな影響を与える。西アフリカのエボラ流行によって現在までに4,900人以上が死亡したが、エボラは、過去数十年間の不安定な経済状態からようやく立ち直りつつあったリベリア、ギニア、シエラレオネの経済を麻痺させる可能性がある。専門家は、ウイルスの急激な拡大は医療設備が伴わない地域の保健施設によるものだと指摘している。 

しかし、世界保健機関(WHO)事務局長マーガレット・チャン(Margaret Chan)博士は、対応の遅れには、もう一つ別の理由があるとアフリカ地域委員会で語った。 

「市場で採算がとれない商品に、利益主導型の産業は投資しない」と3日、チャン博士はアフリカ西部のベニン共和国のコトヌーで開催された会議で述べた。「エボラは従来からアフリカ諸国の貧困国に限られてきたため、研究開発の誘因には事実上ならない」と加えた。 

1976年、ザイールで科学者が致死性ウイルスを発見した。しかし、エボラには確立された治療法やワクチンはない。コンゴ民主共和国、ガボン共和国、ウガンダ共和国で今年までに約1,800人が感染したと米国疾病予防管理センター(CDC)は報じた。

「WHOは、この問題を1976年から2014年まで、年代別にわかりやすく表示した。人々はこれまでの流行について知ることができる」とチャン博士は語った。 

米国のエボラ研究はバイオテロの恐怖があるとして、今年に入るまでは、米国防総省と米国立衛生研究所で主に行われていた。 

史上最悪の流行が拡大し続けて、特に、米国やヨーロッパでも感染患者が報告された後で、大規模な製薬会社がエボラに注目するようになった。英国に本拠を置く製薬会社であるグラクソ・スミスクラインは、現在、エボラワクチンの開発を行っている。米ニュージャージー州に本社を置くジョンソン・エンド・ジョンソンも同様である。

小規模のバイオテクノロジー企業もエボラ治療に取り組んでいる。これらの企業の多くは、エボラ大流行後、その株価を上げてきたが、とりわけ米国で初めてのエボラ患者が報じられると株価が著しく上昇した。

「世界市場は本当はたいして多くはない」とテキサス大学医学部のウイルスおよびエボラ専門家であるトーマス・ギースバート(Thomas Geisbert)博士は、今年初めにアイビータイムズ(IBTimes)に語った。

*この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。

★申し送り事項この記事の終わり方(最終パラグラフ)ですが、原文を尊重して原文の順序で訳しました。しかし、話の流れとして、もしかしたら、「トーマス・ギースバート(Thomas Geisbert)博士の『世界市場は本当はたいして多くない』」(今年初めにはそういう意見もあったがエボラの大流行で)→「小規模企業の株価が上昇した」という主旨かもしれないと思い、訳文最後のパラグラフと、最後から2番目のパラグラフは、順序を逆にした方がわかりやすいかもしれないと思いました。★編集の際のご判断を、よろしくお願いいたします。