エボラ出血熱:シエラレオネでは依然猛威を振るうも、リベリアでは沈静化の兆しの理由

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シエラレオネで9月、エボラ感染疑いのため救急施設に搬送される妊婦

シエラレオネでは依然厳しい状況が続いているが、リベリアでは新規感染者が減り始めている。

ロイター/Bindra

エボラ出血熱は西アフリカで猛威を振るいつづけており、シエラレオネでは1週間に数百人の死者を出し、終息の兆しはなく、新たな感染者も増加している。一方でリベリアでは、感染率と死亡者数がこの数週間大きく下がっており、少し前には流行の震源地だったこの国を、かすかな希望の象徴に変えつつある。

リベリアの最新の統計は、史上最大の流行に歯止めがかけられた可能性を示した。しかし、同じような進歩が見られないシエラレオネとは何が違うのかという問題をも提起している。

世界保健機構(WHO)によれば、11月12日時点で、シエラレオネは5368人、リベリアは6822人、ギニアが1878人の感染者を報告している。しかし、事態はシエラレオネで最も深刻で、米連邦防疫センターによれば、3か国の中で患者数が依然増え続けているのはこの国だけだという。

米紙USAトゥデイの報道によれば、WHOは今月初め、11月の第1週には、シエラレオネでは435人の新規感染者が発生し、流行発生以降24%の患者が11月7日に先立つ3週間に報告されたと述べたという。一方、リベリアでは、ピーク時には1日500人だった1日の新患数が50人と著減しているとデイリー・ビーストは17日、伝えた。リベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ(Ellen Johnson Sirleaf )大統領は非常事態の終結を宣言する声明を発表し、自信をのぞかせた。

リベリアの成功は、様々な要因と状況が組み合わさったことによる。対策に費用や人員をつぎ込み、政府や国民も感染拡大を食い止めようと努力した。米軍もリベリアに数千人を投入し、病院や治療センターを建設している。

ピッツバーグ医療センターのシニア・アソシエイト、アメシュ・アダジャ(Amesh Adalja)氏は、「リベリアでの患者数の減少は、米国の現地支援が実を結びつつある証左で、まだ気は抜けないが希望を持っている。エボラ治療施設や医療従事者の研修、より迅速な検査などが全て、リベリアでの状況改善に一役買っている」と述べる。

対照的に、シエラレオネではエボラ対策の失敗が流行を助長している。資金や資源、効果的・包括的な治療装置が不足しているのだ。

非営利団体ワールド・ホープ・インターナショナルのジョン・ライオン(John Lyon)CEOは、「病床不足に加え、清潔な水、救急車の不足がマイナス要因となっています」と語る。

アダジャ氏によれば、エボラ熱の感染は全土に広がっており、シエラレオネ政府や支援グループもリベリアに比べ、感染拡大に歯止めをかけられておらず、「シエラレオネでは医療従事者のストライキや、治療に立ち会うことへの抵抗が事態を悪化させているのかもしれない」という。

WHOによれば、エボラ出血熱の死者は計5000人以上にのぼる。「終息が近いということはありません。非常に長く過酷な戦いになるでしょう」とトム・フリーデン(Tom Frieden)連邦防疫センター長は述べた。

*この記事は、米国版International Business Timesの記事をに日本向けに抄訳したものです。