世界金融、クラスター爆弾を製造する企業へ投資

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クラスター爆弾の不発弾

クラスター爆弾の不発弾(2014年8月8月25日、ウクライナにて撮影)

ロイター

 オランダを本拠地としている平和擁護団体「PAX」によると、世界の金融企業は、非合法な武器を製造している企業に投資している。銀行や年金基金など151の金融機関が、2011年から2014年の間にクラスター爆弾地雷を製造する企業に270億米ドルを投資したという。

 レポートの共著者であるスザンヌ・ウスターウィク(Suzanne Oosterwijk)氏は、「クラスター爆弾は国際法によって禁止されています。世界の大多数の国は、この武器を受け入れ不可能と認識します。それなのに、クラスター爆弾の製造者は、いまだに活動への投資を確保できています。金融機関は、非合法武器の生産に関与している企業への支援を確実に避けるために、確固たる方針を導入するべきです」と声明で述べた。

 これらの武器、すなわちクラスター爆弾は、複数の爆発部を含む。地雷のように、戦闘衝突が終了したずっと後の時代まで危険が残りうる。米国軍は、ベトナム戦争中、ラオスに推定2億6,000万のクラスター爆弾を投下した。しかし、そのうち約30%は、投下の衝撃では爆発し損ねた。そして、オーストラリアの放送局「ABC」が報道したように、中には数十年後に人々を殺害している爆弾もある。

 ヒューマン・ウォッチは先月、クラスター爆弾がウクライナで「広範囲にわたって使用」されたと報告した。9月、イスラム国の軍事グループによってシリアでクラスター爆弾が使用されていたことがわかった。シリアにおける犠牲者の97%は民間人であった。

 クラスター爆弾連合(the Cluster Munition Coalition)の担当として、エイミー・リトル(Amy Little)氏は27日、「私たちは、利益より人命を優先しなければなりません。シリアと東ウクライナで民間人を殺していて、使われた50年後にラオスで生命を奪い続ける武器のことです」と声明で述べた。

 2008年、クラスター爆弾の使用を禁止する『クラスター弾に関する条約(Convention on Cluster Munitions)』に115か国が調印した。しかし、その条約は、製造企業や製造企業をサポートする企業をはっきりと抑制することにはなっていない。中国、ロシア、米国のように条約に調印していない国もある。

 PAXの研究者たちは、レポートを作成するために、武器を製造すると知られている7企業を調査した。米国を本拠地としているアライアント・テックシステムズ社(Alliant Techsystems Inc)とテキストロン社(Textron Inc.)の2社、中国の2社、韓国の2社、シンガポールの1社である。

 レポートに登場する151の金融機関は全15か国にあるが、そのうちの76%は米国に本部を置いている。アフラック(Aflac Inc.)、 ブラックロック(BlackRock Inc.)、フィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs Group Inc.)、JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase & Co.)、メットライフ(MetLife Inc.)、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)などの米国企業がアセット・マネージャー、バンキングサービスプロバイダー、融資プロバイダーとして関係していると名指しにされた。日本企業は3社であった。

 同レポートはまた、クラスター爆弾に資金を提供するのを避ける処置をとった会社も明らかにした。オランダが19社と最も多かった。

 *この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。