2010年8月19日 11時37分 更新
中国経済に迫る三大リスク
4-6月期国内総生産(GDP)では名目GDPにおいて日本を上回った中国経済ではあるものの、同国には不動産・地方政府債リスク、および一党独裁の中国共産党政府政策の潜在的

失敗リスクが懸念されている。PNC銀行は中国経済について以下のように分析している。
1 不動産
同国設備投資の3分の1は不動産関連に投資されており、不動産関連の生産高は2009年中国GDPのおよそ13%を占めている。上海および北京での不動産価格は中国その他地方都市に比べ4倍にも高騰している。これは日本で20年前に生じた住宅バブル時と同程度の水準となっている。
中国政府もこの動向を早々と察知し、今年3月から不動産市場の金融引き締め策に乗り出した。その結果2月に不動産価格のピークが過ぎた。ただ、リスク要因としては中国政府の過剰な金融引き締め策により不動産価格が急激に下落して不動産市場が行き詰まることも懸念されている。不動産部門に関して米市場と異なる点としては、不動産ローンの占める割合が中国銀行システム全体の融資に占める割合で13%でしかないということだ。
2 地方政府債
また政府から融資を受けて行っている中国地方プロジェクトにも懸念が生じている。地方政府はインフラプロジェクトのため巨額の融資を国から受けているが、現状では同プロジェクトが融資を返済できるに十分な収益を集められないことが懸念されている。実際、多くのプロジェクトでは営業経費も賄えない状態に陥っている。
米国とは異なり、中国地方政府は歳入を得るための選択肢があまり多くはない。中国地方政府の主な歳入源は同国の中央銀行である中国人民銀行からの送金か不動産売却によるものである。そのため銀行からの融資資金が不良債権となる可能性が高い。
一方中国銀行の将来的な希望が見出せる面としては、中国農業銀行が過去最大規模の新規株式公開(IPO)に乗り出したように、市場で資金調達を行い出したところにある。しかしながら中国2009年度GDPの3分の1とも言われる巨額の政府地方債により、中国銀行の財務体質の不安定さが露呈されることも懸念されている。
3 政策決定
中国政府の政策決定自体にも危うさが潜んでいる。中国政府が資本投入した地方都市2都市でプロジェクトの放棄がなされている。また中国政府は世界最大級のショッピングモール建設にも投資したが、現在同ショッピングモールの99%が空き店舗となっている。
中国経済は今後資本投資と輸出依存からより国内消費に転換できる政策を模索していかなければならない。中国政府は賃金引き上げを行い、より人民元レートに柔軟な政策を提示してきている。今後中国政府が政策決定を誤ることで、意図しない結末に行きつく危険性も十分に考えられる。
IBTimes












