2010年8月26日 10時52分 更新
先進国各国、専門技術者不足に直面
マンパワーによると、世界先進各国で電気技師、大工、溶接工などの専門技術者不足に直面しているという。専門技術者の高齢化に伴い、退職とともに新たな労働者に入れ替えられる必要があるが、先進国では依然としてホワイトカラー職への就職希望が高く、ビジネス需要とマッチしない状態となっているという。

特に先進国各国では将来的に専門技術者不足がさらに深刻になるとみられるという。
世界的に専門技術者の充足は最も困難な状況となっている。2010年のマンパワーによる調査結果によると、米国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダにおいては専門技術者の充足が最も困難な分野となっている。一方中国では6番目、ブラジルでは2番目に困難な分野となっている。
経済協力開発機構(OECD)の調査によると、10代の若者で専門技術者として就職したいと思う人の割合は、イタリアではわずか12%以下、米国では10%以下、そして日本では8%以下の状態となっている。
この傾向を受け、世界先進国各国では専門技術者を発展途上国から充足する傾向が顕著に見られる。ノルウェーの食品加工業者はピーク時の労働者不足をスロバキア、チェコ、ポルトガルからの短期労働者で埋め合わせている。米オハイオ州の造船会社Erie Shipbuildingでは、造船業者をクロアチアやメキシコから雇用している。フランスのある溶接業者はポーランドから溶接工を雇用している。日本ではすでに国内自動車関連・機械関連・電気関連およびIT関連企業による中国人技術者の雇用が頻繁に行われている。人材派遣・紹介会社IMIは、中国人技術者の特徴として「能力的には日本人に共通の均一性はなく、優劣の差に大きい傾向があるが、日本人的な本音と建前の使い分けがないため、明確な指示を与えれば日本人以上の能力を発揮する」との見解を同社サイト上で発表している。
先進各国で共通して見られる専門技術者不足の問題はすぐに解決できるようには見られず、マンパワーではビジネスの「戦略的移行」を勧めている。その中に専門技術者を一時的な不足を補うために発展途上国の外国人を雇うという戦略も含まれている。
また専門技術者の不足問題は先進各国ばかりではなく、中国・インド・ブラジルなどの新興国でも生じており、インフラプロジェクトや経済成長を妨げる要因となっているという。失業率が10%に至る米国民の間では、大学の学位、特に文系の学位に関する取得価値について疑問が高まるようになってきている。マンパワーによると、米国で配管工であれば、初年度に7万5,000ドル(約640万円)を稼ぐことができ、数年後には3,4人を雇って独立して事業を行うこともできるという。
世界経済の低迷が長引く中、雇用状況が悪化しているといわれるが、全体を見渡せば各分野の専門技術者のように不足している分野も確実に存在する。グローバルに人材が行き交う中、先進各国の国民全体の人生観・仕事に対する価値観が問われ始めている。
IBTimes












