2010年9月1日 12時38分 更新
米投資家ジム・ロジャーズ氏に聞く中国経済・人民元、GMの動向 ―IBTimes独占インタビュー(3)
Q: 自国自産を行うことで競争力をつけていくことについてはどう思われますか?
ジム・ロジャーズ氏 歴史的に見て、閉鎖的な経済に依存してきた国は経済後退に陥っています。1962年のビルマはアジアでもっとも富んだ国でした。しかし1962年に閉鎖経済下に置いてから、アジアで最貧国のひとつに陥るようになってしまいました。また1957年のガーナは大英帝国下にあって最も富んだ国でしたが、1957年に閉鎖経済にしてから8年間で破たんしてしまいました。他にも同じような国の例はいくつも挙げることができます。
歴史的に見て、自国を閉鎖経済下に置くというのは、経済発展の障害となるのは明らかです。自国経済を常に外国に解放された競争下に置いておくことで、企業が自由な競争をできるようにしておくことが大事です。競争することによって事は良い方向に向かっていきます。悪くはなっていきません。中国経済が世界に開放されることで、中国の一部の人たちは苦難を受けるでしょうが、しかし13億人の中国人全体にとって長期的に見れば良い方向に傾き、生産性や生産品質を増し、かつ安い製品を生産できるようになっていくでしょう。閉鎖することで何かがうまくいった試しはありません。
Q ところで米自動車産業についてはどう思われますか? 中国経済の発展によって打撃を受けているのではないでしょうか?
ジム・ロジャーズ氏 米自動車産業は閉鎖環境下に置いておいたらどうなるかを示した良い事例だと思います。正に教科書的な事例です。1965年にGMは世界最大の自動車会社でもっとも成功していました。巨大な市場を抱えていました。
しかしその後日本自動車業界が成功するようになってきました。日本製自動車はより安く、高品質であることが米国の消費者にとっても魅力的となりました。しかし米自動車業界は日本自動車業界の成功に対して行動を起こそうとしてきませんでした。労組は相変わらず労働者の利益ばかり要求し、経営層は将来的なビジョンなどを彼らにあまり与えようとせず、そのような企業と労組のやりとりをしているうちに破たんに至ってしまいました。
そしてGMが労組と妥協して労働者への利益創出に勤しんでいるうちに、韓国・中国そして日本など海外各国の競争的な販売価格を仕掛けてくる自動車業界に太刀打ちできなくなってしまったのです。GMのように世界の大企業にまで成長し何十年も君臨していると、そこに重要な問題があっても気づきにくい体質になってしまっていたということも挙げられるでしょう。
資本主義というのは、巨大な大企業となり企業体質が慢性化してしまった企業に他の企業が入れ替わることで成り立っています。コンピュータ業界もそうでしょう。15年前に名を馳せていた多くの有名企業が消え去っています。理由は簡単です。外部環境で何が起こっているか、注意を払わなかったからです。そのようなことはどのような業界でも生じています。
(インタビュアー:米IBTimes Hao Li)
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