2010年9月2日 10時36分 更新

メルクセローノ社長マーク・スミス氏に聞く日本市場の魅力、日本と欧米のビジネスマインドの違い―IBTimes独占インタビュー(3)

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 3.医薬品業界として、多国籍のビジネスを展開される御社の強みと多国籍企業として展開する秘訣を教えてください。

 〜世界共通のニーズがあることが強み、各国の制度の違いを柔軟に受け入れて適応していくことが大事〜

 弊社の展開するがん治療、不妊治療の製品は、バイオテクノロジーを駆使した革新的な薬剤であることから世界的に広くご利用頂いております。また「命」に関わる製品ですので、世界共通で患者様治療に資することができるということが強みであるといえるでしょう。各国に展開する際にはその国独自の医療保険制度や規制の差異を考慮する必要がありますが、現地の国の制度や文化を迅速に把握し、柔軟に受け入れ、その枠組みに即してマーケティング活動を展開していくことが大切であると思います。

 4.日本のビジネスパーソンに対する印象を教えてください。

 〜日本人は「3+4=?」、西欧では「?+?=7」という考え方の違いがある〜

 日本の人たちは伝統を大切にします。変化に対応するというよりも既存の伝統や文化を大切にする傾向が強く、そのような価値観を重視していますね。変化にいかにして対応できるかということをプラスとして捉えている欧州とは価値観が異なるという印象を受けます。教育システム自体が、欧州では ? + ? =7 という教育方法(ひとつの結果にいたるべく複数のプロセスを考察させる)であるのに対し、日本では 3+4=? という教育方法(ひとつの方法による結果を重視する)が小学校から続き大学までなされています。どちらが正しいか正しくないかではなく、これに起因する考え方の違いは大きいと思います。言語の違いというよりは、社会人となってビジネスに携わるようになってから、この考え方の違いが顕著に見られるようになるのではないかと思います。多国籍事業を行うにおいて、このような文化の違いを乗り越え歩み寄っていく必要があると思います。

 5.日本国内では、グローバル化に対応して社内共通語を英語にするという動きがみられていますが、この動きについてどう思われますか?

 〜言語そのものよりも変化に適応できる「考え方」を養うことが大事〜

 社内共通語として英語を使用することは、グローバル水準や変化に適応し、競争力を高める上でアドヴァンテージとなるでしょう。しかし、これはひとつの手段でしかなく、大切なことは変化に適応できる「考え方」を養うことなのではないかと思います。

 弊社のグローバル事業におきましても、日本では液晶研究の拠点があり、世界各地へ小型化された新製品を輸出しています。また、化粧品の顔料につきましても、新色の開発などは日本が基礎研究を支えています。このような点から考えましても、日本ならではの技術力が世界の産業や工業における技術革新に貢献していく可能性はいまだに大きいといえます。

 現在は過渡期にあるのかもしれませんが、中国や韓国の成長も著しく、またこれらの国々はグローバルな変化に対応していこうという姿勢が日本よりも強く見受けられる感じがします。日本が今後ビジネスを世界的に展開していく上で、グローバルスタンダードや価値観にどのように適応していくかということが重要な点になってくるかと思います。

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IBTimes

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